取組事例紹介

健康経営のフロントランナー。フェムテックにも取り組む。

#キーワード

フェムテック 健康経営 チャレンジジョブ制度 社外ネットワーク活用

株式会社北陸銀行

北陸銀行では、2017年に「健康経営宣言」を制定し、従業員の健康保持・増進に取り組んでいる。富山県女性活躍推進「先進性」モデリング事業費補助金の交付認定(第一号)を受け、従業員一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮できる職場環境を整備し、組織全体の更なる活性化の実現および SDGs の達成を目指している。

金融業界ならではの地方銀行ネットワークを生かしたキャリアサポートや、自身のキャリアアップにつながるチャレンジジョブ制度など、人材育成のユニークなシステムも魅力だ。フェムテックやSDGs、グローバル基準での最先端を目指す、世界に開かれた富山発の実績が楽しみだ。

富山県女性活躍推進「先進性」モデリング事業 第一号。

富山県女性活躍推進「先進性」モデリング事業は、女性活躍にかかる先進的な取組みを支援しPRすることで、富山県全体としての女性活躍の推進につなげることを目的とした新たな事業。北陸銀行は、この補助金交付の認定第一号となった。北陸銀行では、女性が活躍できる職場づくりと企業の成長を促すため、フェムテック関連製品やサービスを取り入れ、女性の健康課題の解決や緩和に向けた先進性のある取り組みを試験的に実施している。女性の健康課題の一つである更年期予防・緩和対策をテーマとして基礎知識を学び、自分の体質を確認したうえで対処方法に取り組む機会を設けることで、女性職員が心身ともに働きやすくなることを目的としている。

キャリアプランもライフプランも転機をサポートしたい。

銀行ならではのネットワークを活用したユニークな人事制度も魅力だ。エリア限定職についても、退職後も職員として復職できる制度や、ライフイベント等で他県へ転居するときに複数県の店舗網や地方銀行間でキャリア継続をフォローできるネットワークがあるのは心強い。金融業界の横のつながりが生きる好事例と言えるだろう。また、希望する仕事(例えば東京でマーケット取引を学びたい、他社で専門知識を身に付けたい等)に挑戦できるチャレンジジョブ制度には希望者が手を挙げる仕組みで、富山県内・北陸銀行内にとどまらない経験は魅力的なキャリアアップをサポートしている。


チャレンジジョブ制度利用者の声

ー 富山から憧れの市場金融部(東京)へ ー

銀行全体の資金を管理し、為替業務を行う仕事をしています。 多くのモニターに囲まれて、その時々に必要な情報を収集・分析しながら働いていることに圧倒されました。

経済指標や相場のテクニカル的な見方を日々勉強しています。経済指標の発表等で相場が動いた時には、営業店とは違った緊張感があります。(Kさん)

女性活躍に向けた息の長い取り組みが収穫期に。

2007年女性活躍に向けた宣言があり、2010年「女性が輝く元気企業とやま賞」を受賞している。2014年に女性活躍推進プロジェクトが発足、さらに社内制度改革等、継続的に男女問わずの人材育成に注力している。2016 年のイクボス宣言に始まり、男性育休 100%宣言、ベビーファースト運動の参画などワークライフバランスの向上に積極的に取り組んでいる。頭取も女性をむしろ応援するメッセージを出しており、女性管理職比率の目標30%を掲げ、支店長や職場の一人一人の背中を押している。女性管理職比率は現在15.1%だが、管理職予備群が35%と育ちつつある。法人営業としての渉外担当には女性はまだ少なく、現在育成中とのこと。「先進性」モデリング事業認定も得て、健康課題にも積極的にアプローチするこれから、さらなる女性活躍推進の成果を注視したい。

好事例を共有、富山県・日本全国の健康経営のけん引役として期待

女性活躍推進に対しては、15年の取り組みが徐々に花開きつつある印象を受けた。チャレンジジョブ制度の活用には、他業界でも検討の価値があろう。外部講師を招いたセミナーなどの活用事例も含めて、自社だけの取り組みには限界もあるので、先駆者のノウハウや成功事例を共有いただき、社会全体のボトムアップを図る、社会インフラである銀行ならではの貢献も期待したい。

コンサルタント:永合由美子

株式会社北陸銀行

  • 従業員数2,438名、平均年齢39歳8ヶ月、平均勤続年数16年1ヶ月、管理者数947人
  • 〒930-8637 富山市堤町通り1丁目2番26号
  • 設立:1943年7月31日
  • 事業内容:金融機関
  • https://www.hokugin.co.jp/