取組事例紹介

小規模企業だからこそ、実現するワークライフバランス

#キーワード

ワークライフバランス えるぼし受賞 女性管理職 健康経営 タイムマネジメント

株式会社ケーブルテレビ富山

2017年12月に、300名以下の小規模事業者としての、初の女性活動推進法に基づく「えるぼし」最高位に認定を受けた当社は、全管理職の25%が女性(3名)、採用担当課長も女性である。新卒の応募に関しては8対2で女性が多く、若い世代に当社の企業価値を受け入れられる経営を実践している。設立30年弱とまだ歴史が浅い若い企業であることも影響しているのか、元より女性だから...という風土はない。経営トップの方針として、社員と密接にコミュニケーションを取り合い、職場の意見を吸い上げる、社員尊重の気風が進化の源泉のようだ。

変化をチャンスに、登用制度の改革や家庭と仕事の両立支援を推進

2014年、派遣2年以上勤続の女性オペレーターを正社員登用(専門職)して以来、ますます女性も活躍する企業に変貌した。一時期、サービスが多岐にわたり離職が増えたため、安定雇用と業務範囲の拡充を目的に正社員登用を行い、今では社員としての責任感を持って業務を行っている。また健康経営企業に認定されており、35歳以上では扶養する妻も健康診断を受診でき、50歳以上では検査項目を増やしたり、インフルエンザの予防注射に関しては家族含めて全額会社で負担したりしている。「小規模企業でも可能な範囲」で優秀な女性を確保し、活躍を促すための「家庭と仕事の両立」に配慮してきた。

計画的にタイムマネジメント=やりくりして実現するワークライフバランス

時間有休制度があり、男性の看護休暇も活用されている(子ども一人につき年に5日まで取得可)。また未使用により失効する年次有休のうち、病気療養のために最大40日間貯められる有休積立制度がある。更に、長期休暇制度があり、毎年平日に5日、前後の土日を含めれば9日間の連休取得も可能で、男女の別なく100%消化されている。育児・看護保護制度に関しては、有料の施設に預けた場合、費用を会社が一定額負担することで支援。加えて勤怠管理システムを導入し、長期休暇など全社員の年間予定を期初に一覧にし、タイムマネジメントを徹底することで、ワークライフバランス実現を推進している。

悩みながらも継続し、企業の繁栄と社員の満足を高めたい

総合職30名、専門職40名程度で、50億の売り上げを支える小規模企業ならではの悩みも多い。社員の結婚や出産など、様々なライフステージによって現場の人手不足が発生する現象もあり、多様化する働き方への対応が悩ましい。男性の働き方に関する意識も変容しており、新たな企業風土の醸成が必要だと実感されている段階だ。コロナ禍のお陰(?)で、無理だと思っていたテレワークも3割程度は実現できており、現場の自信にもつながった。今後はアウトソーシングや、高齢者の活用、IT技術を活用した業務システムの整備など、新しい働き方の推進にチャレンジしていきたいようだ。

前向きな発想で、更に優良企業へ

若手にも受け入れられやすい風土になっている当社の現実をもっと社外にもPRし、更に働き方を進化させる「レバレッジ」にしていただきたいと、応援したい気持ちにさせられたインタヴューであった。報道に携わる企業としてのアドバンテージとして認識し、広く男女問わず、自己実現できる働き方を今後も模索していく企業としての成長を願ってやまない。

コンサルタント:藤村優香理

株式会社ケーブルテレビ富山

  • 従業員数79名、平均年齢41.2歳、平均勤続年数9.1年、管理者数12人
  • 〒930-0004 富山県富山市桜橋通り3-1 富山電気ビル新館3階
  • 設立:1994年4月
  • 事業内容:有線テレビジョン放送施設設置業者
  • https://ctt.ne.jp/company/gaiyo/