取組事例紹介

創業の精神を受け継ぎ、女性活躍推進から働き方改革へ

#キーワード

社員の意識調査実施 ITテクノロジーの活用 キャリアの多様化 社会へ発信

株式会社インテック

1964年の創業当初から女性を重要な戦力と位置付け、性別による一切の差別をせず、子育て支援も男女を問わず実施してきた。背景には、創業者、金岡幸二氏が1971年に社内に訓示した「私の信条」が根付いている。 氏は「奉仕こそわが務め、創造こそわが喜び、世界こそわが職場、繁栄こそわが望み、悠久こそわが行く手」、つまり社員一人一人が輝き、各々の個性を発揮して社内で活躍するのは当然、広くあまねく世の中に貢献できる人材を育成する、その環境を整えることが「わが務め」と宣言した。これを受け継ぎ、現在も実践している。

意識調査で浮き彫りになった現場のギャップ

女性活躍推進および支援施策の具体的な取り組みを検討するため、まず現状把握として新人を除くすべての雇用形態の女性従業員1029名と、全管理職269名双方の意識調査を行い分析した。すると女性従業員は、産休・育休からの復職に関して「自分のキャリアを中断させず仕事と家庭を両立していくために、産休・育休からの復職をできるだけスムーズに行いたい」と希望していることがわかった。一方で、特に男性の管理職は、「女性は体力がないから大変な仕事を回さないようにしよう」といった配慮をしてしまいがちで、女性側の意識とギャップがあることもわかった。

リアルな声をもとに復職をITツールで支援

コロナ禍を境に在宅勤務が増え、現在はリモートワークを前提としたセキュリティ対策やITインフラも整備できている。そこで、ITを使って支援ができればと考えていたところ、社内をリファレンスとして、働き方改革とダイバーシティ&インクルージョンの課題を解決するDXソリューションを開発するという話が人事側にも共有された。そこで女性活躍の視点から、女性の産休・育休からのスムーズな復職を支援し、会社のパフォーマンスを向上させるITツールがつくれないかという案を出して進めることになったのが、「産休・育休からの復職支援ポータル(仮称)」である。

オープンな姿勢で社会を巻き込み、多様な事例を集める実証実験へ

具体的には、産休・育休中の社員が、個人のパソコンやスマートフォンから産休・育休に付随する各種申請手続きや社員同士の交流、復職支援のe-ラーニングや上司との1on1面談を行うことができるというものだ。自社の課題解決とDX推進を基に、将来はお客さまに提供することも見据えて開発を進めている。まずは社内で実際に使い、自分たちが良かったと思えるものを同じような課題を抱えたお客さまに提供することで、多くの企業が直面している社会課題を解決したいと考えている。個々の企業で考えるより、幅広い意見や事例を集め、「文殊の知恵」でより良い解決策を見つけよう、というものだ。社会に広く課題を提起し、ITを使って新しい価値の提供を目指す。

さらなるダイバーシティ&インクルージョンへの挑戦と、今後の課題

TISインテックグループでは、ダイバーシティ&インクルージョン方針として、多様な人材が各々の人間らしさを発揮し、意思と意見を表すことを重視している。互いを尊重し、刺激し合い、柔軟で絶え間ない変化やこれまでにない価値を生み出し続けるために、「多様な人材活躍」、「健康経営」、「働き方改革」 を主軸にダイバーシティ&インクルージョンを推進している。今回紹介した女性活躍推進の取り組みはもとより、今後は多様な人材である社員一人ひとりのキャリア成長を重視した施策を進めていく予定だ。

正解のない世界だからこそ、確実に辿りたい

インタビューに応じた人事本部 働き方改革推進室長 増田忍氏の、「様々な環境に育ち生活している社員が、会社側が提示するロールモデルに捕らわれるのではなく、一人ひとりの個性を発揮し、社内・社会に貢献し、世界に通用する人間性を備えた人材として成長する。それを支援する、その道を今後も辿っていきたい」とのお考えに共鳴した。

コンサルタント:藤村優香理

株式会社インテック

  • 従業員数3710名、平均年齢41.6歳、平均勤続年数17.6年、管理者数943人(2021年11月末日現在)
  • 〒930-8577 富山市牛島新町5-5
  • 設立:1964年1月11日
  • 事業内容:技術研究、ICTコンサルティング、ソフトウェア開発、システム・インテグレーション、ネットワークサービス、アウトソーシングサービス
  • https://www.intec.co.jp/