取組事例紹介

家事負担の軽減に向けた従業員への支援

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家事負担の軽減 業務の効率化

医療法人社団黒田内科医院

1985年に立山町五百石で開院して以来、地域医療の発展に貢献する黒田内科医院。2022年1月に現院長の就任と同時に現在地に移転しました。新クリニックでは、働きやすい職場環境づくりの推進とともに、従業員の家事負担の軽減につながる福利厚生制度も充実させています。ユニークな視点で独自の取組みを推進する思いや狙いなどを、総務の黒田さんにお聞きしました。

仕事と家庭を両立できるように従業員を支援したい

現在、20代から70代までの16人の女性従業員が正社員やパート勤務として働いているなか、仕事と家事、育児・介護等を両立しながら働く従業員を何とかサポートしたいという思いがありました。私も育児や介護の経験があり、仕事と家庭の両立が大変であることを実感していました。当院の出勤時間は、午前8時から始まり、遅番勤務の場合は午後6時半までと遅くなります。一般的な企業と違って、小規模なクリニックとなると、在宅勤務や時短勤務、フレックスタイム制度などの導入はなかなか難しく、そのほかの方法で従業員をサポートできないか検討しました。そして、スタッフと協議を重ねるなかで、家事負担の軽減につながる支援が求められていることが分かりました。

冷凍食品等の提供で家事負担を軽減

従業員のための家事支援としてまず取り組んだことが、冷凍食品やレトルトパウチ食品の定期的な提供です。県の補助金を活用し、試験的な取組みとして、月1回の提供を3か月間実施しました。電子レンジなどで簡単に調理でき、無添加で美味しい高品質なものを実際に試食しながら選定したほか、キッズ用のセットも用意しました。従業員を対象としたアンケート結果では、ほぼ全員から「満足」の回答を得られたため、今後も継続したいと考えています。次回以降は、より従業員のニーズを反映した食材の選定や、地元のお店の惣菜などの提供を検討中です。

今後は、継続可能な価格設定とそれぞれの家庭環境に応じた対応が課題です。夕飯の準備が大変な遅番の従業員に対しては提供日数を増やすなど、勤務形態に応じた支援強化を考えています。

従業員のための様々な福利厚生制度を充実

そのほかにも、当院独自の福利厚生として、年1度の忘年会の日に出勤する従業員に対して、家族の夕飯用の惣菜を提供しています。夕飯の準備などが気がかりで、懇親を図る場となる飲み会にストレスを感じてほしくないという思いがありました。その日のうちに必ず完食してもらうほか、生ものは避けるなどの条件を地元のお店と調整し、家族分のおかずボックスを提供しています。

また、能登半島地震を機に、車内の高温に耐えられる米粉クッキーや水などを選んで詰め合わせた「簡易車載防災グッズ」を提供しています。社会保険に加入している従業員には、乳がん・子宮がん検診の自己負担分の費用を補助し、生活習慣病の特定検診が対象外である35歳未満の従業員には、院内で簡単な血液検査を実施しています。

マグネットボード等の導入による業務の効率化

職場環境の改善や業務の効率化に向けては、コンサルタントの助言を踏まえて、院内で情報共有を図るためのマグネットボードを設置しました。コミュニケーションの場としてだけでなく、能動的な情報取得も促しています。

また、国の補助金を活用してセミセルフレジを導入し、釣り銭計算や締め作業の削減により、業務の効率化に繋がっています。さらに、お掃除ロボットも導入し、外部委託していた院内の清掃業務の日数や時間を見直しました。削減できたコストは、従業員への福利厚生や労働環境の改善経費に充てることができ、業務の負担軽減にも役立っています。

日頃からの心掛け

院長と常に情報共有し、医療サービスの充実と事務的な業務の効率化の両方を注視しながら、職場環境づくりに努めています。新しく何かに取り組む際には、状況を把握し、課題を抽出して実行するプロセスに時間をかけて進めています。従業員や関係者との信頼関係を築き、事前の相談やアンケートの内容を踏まえながら、まずは一度やってみようというアクションを心掛けています。また、様々な工夫を試しつつ、効果が得られないようであれば内容を見直すなど、柔軟に対応することも必要です。

日頃から心掛けていることは、定期的な面談や日々のコミュニケーションを通して、従業員の声を聞き、意見や思いをしっかりと把握することです。面談は、本音を引き出すためにコンサルト等の第三者と実施し、必要に応じて確認できた課題等を匿名で総務にフィードバックしてもらうこともあります。また、医療業界に限らず、社労士や税理士、取引業者などの他業種の方の助言も積極的に活かしながら、常に情報共有を行い、悩んでいる業界の方に役立ってほしいという思いで、当院の取組みも伝えています。

医療法人社団黒田内科医院

  • 従業員数 16名
  • 〒930-3265 中新川郡立山町米沢7-1
  • 設立:1985年
  • 事業内容:内科・健診・内視鏡検査・往診
  • https://kurodanaika.jp/