部門の実情に応じた、柔軟に働きやすい職場環境づくり

当社には、生産部、信頼性保証部、研究開発部（海外事業グループ含む）、営業部及び経営推進部があり、業務内容や働き方も各部門によって異なります。そのため、各部門の実情に応じた、多様な制度設計や環境整備を行っています。制度の拡充や新制度の導入時には、アンケートやヒアリングによる現状把握、業務への影響を確認するためのテスト運用を実施し、従業員の要望やニーズに合った適切な制度となるよう努めています。

フレックスタイム制度と在宅勤務制度を試行的に実践中

フレックスタイム制度は、2023年から研究開発部（海外事業グループを含む）を対象に運用しています。現在は、対象の部門を拡大し、2024年９月から営業部、11月から経営推進部でテスト運用を行っています。

研究開発部では実験などの業務効率化、営業部では通勤ラッシュの回避などを目的として導入されました。

また、経営推進部では、以前に短時間勤務制度（8:30～16:30）を利用していた従業員が、フレックスタイム制度に変更したことで、労働時間を短縮せずに育児に参画することが可能になりました。子どもの急な体調不良の場合には、コアタイム（9:30～16:30）終了後に、気兼ねなく小児科を受診できるなどのメリットがあります。

在宅勤務制度については、2024年９月から東京支店の一部組織でテスト運用を行っています。

勤務形態が多様化することで労務管理が複雑になりますが、全従業員が利用するグループウェアなどを活用しながら柔軟に対応しています。

制度の導入が難しい部門へのフォローが課題

当社の製造工程の関係から、どうしても制度を利用できない部門もあり、従業員の間で不公平感やしわ寄せがないよう、部門間のバランスをうまく取れるかどうかが課題です。そのため、日頃から、制度が利用できない部門の生産現場において何かできることはないか議論されており、実際に、品質保証部門では、フレックスタイム制度の代わりに、2024年10月から１カ月単位の変形労働時間制のテスト運用を始めています。

生産現場における欠員者の業務に対しては、余裕のある作業工程を設定することや十分な人員配置と設備投資を行うことで生産に影響がないように努めています。もちろん、従業員の多能工化により、他の従業員の業務をカバーできるスキルも向上しており、緊急時には、経験豊富な管理職や役職者が、直接、生産現場で対応することがあります。また、短時間勤務制度を利用している従業員による専用ラインを設けるなど、生産現場からも様々な工夫が提案されています。

短時間勤務制度や休暇制度を利用しやすく

当社では、法定の基準以上の様々な育児・介護制度を設けていますが、その中で最も利用されているのが短時間勤務制度であり、子どもが小学校を卒業するまで利用することができます。2020年には、事前にアンケートで従業員の希望を確認しながら、勤務時間の選択肢を３パターンから30分刻みの８パターンに広げて、利便性の向上を図ったことで、制度の利用者は増加しました。勤務時間の選択は、１カ月前までに申告すれば１カ月ごとに自由に変更することができ、希望に沿った働き方ができると、従業員にも喜ばれています。また、失効年休積立制度（積立日数：５日／年、積立上限：30日）については、以前は私傷病や家族介護で連続５労働日以上という条件がありましたが、１日単位で取得できるよう緩和し、子育てや不妊治療も対象としています。

充実したキャリア支援を展開

このほか、当社は、従業員のキャリア支援にも取り組んでいます。世代別キャリア研修、キャリア面談（管理者向け）、キャリアマネジメント支援、キャリア報告会などを行い、希望する一般従業員には社内のキャリアコンサルタントとの面談機会も設けています。また、キャリアコンサルタントの資格を持つ社長自ら、若手社員のキャリア面談を行うなど、従業員のキャリア支援に意欲的に関わっています。

今後も、柔軟な働き方を通して、全従業員が活躍できるよう、さらなる制度の拡充やワークライフバランスの取りやすい職場環境の整備、キャリア形成への支援などを進めていきます。