取組事例紹介

働き方改革実践モデル企業事例2

#キーワード

働きやすい環境 会議の活性化 タブレット・スマホによる見える化 問題解決の認識向上

社会福祉法人 宣長康久会 ささづ苑

富山市南部にある高齢者施設で、要支援・要介護の方を対象に、日常生活のお手伝いをされています。介護ロボットやICT機器(各種情報端末)を積極的に活用することで、利用者様のQOL(生活の質)の向上と介護職員の働きやすい職場環境づくりに挑戦されている、ささづ苑の山本事務長と加藤課長にお話を伺いました。

●職員が働きやすい環境を目指して

当法人では、利用者様のケアはもちろん、職員自身が心豊かに働ける職場を目指しています。そのため、職員の腰痛予防や、深夜の定時巡回による負担の軽減などを目指し、以前から各種の介護ロボットやICT機器を導入してきました。さらにこの働き方改革を推進するために「働き方改革実践モデル企業」に応募しました。

●押しつけではない、肯定の「カエル会議®︎」

会議と言えば「カエル会議」です。押しつけや意見の出ないものになりがちな従来の会議を、「カエル会議」を導入することにより、各自の意見を「否定せず」「肯定的な態度」で受けとめ活性化を図りました。その結果、職員一人ひとりに「働きやすい職場をつくろう」という意識が高まり、活発な意見交換の場となりました。また、アイディアを効率よく整理・分析してまとめていくKJ法や特性要因図を使って、現状分析や解決策の方向性を“見える化”し、それらをみんなで討議しています。

 

※「カエル会議」は株式会社ワーク・ライフバランスの登録商標です。

チームで目指す目標(ありたい姿)を設定し、その目標達成に向けた課題を抽出して、改善案を考える会議です。

●タブレットやホワイトボードの利活用

「カエル会議」で自分たちの職場の課題を洗い出したところ、職員間のチームワークやコミュニケーション不足に関するものが多く挙がりました。そこで、各職員の日々の業務内容や予定を把握するため、ホワイトボード、タブレット・スマホによる“見える化”に取り組むことにしました。当初は、パソコンによる情報管理も考えましたが、入力等の記録業務に費やす時間が⾧く、タイムラグが発生するなどの問題がありました。そこで、「カエル会議」で改善案を検討した結果、情報端末機器の苦手な職員向けのミニ勉強会の開催や、入力を簡単にする定型文の設定といった工夫を行いました。この結果、情報の入力量は前年と比べて3倍に増えました。さらには、音声入力やインカムの導入、タブレットとスマホの組み合わせにより即時性を高め、なおかつ、情報の共有化を図ることにしました。これらの取組みの結果、入力作業の属人化が解消され、勤務時間の異なるすべての職員に情報が行き渡ることでコミュニケーションも増し、職員の雰囲気も明るくなり、業務効率も上がりました。

●みんなで考え、みんなで立てた目標

「カエル会議」によって、働きやすい職場を目指し、自分自身も提案をすることによって問題解決の認識が高まり、多くの提案や意見が出るようになりました。また、自らが積極的に関わったことで、改善に対する積極的な姿が生まれてきました。

このような日頃の活動の結果、令和5年度「介護職員の働きやすい職場環境づくり内閣総理大臣表彰」をいただくことができました。


●「カエル会議」を法人全体に

本来、職員一人ひとりは現場の経験をもとによい意見を持っており、「カエル会議」で活発に意見を出し合うことにより、働きやすい職場へと変化しています。今後はこの取組みを法人全体へと広め、更に働きやすい職場・魅力ある職場となるよう努めているところです。

社会福祉法人 宣長康久会 ささづ苑

  • 従業員数:140名
  • 〒939-2226 富山市下夕林141
  • 設立:1998年
  • 事業内容:特別養護老人ホームの運営等
  • https://www.sasazuen.or.jp/