取組事例紹介

女性活躍推進に向けた全社員の意識変革

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女性管理職登用 管理職の職務の見える化 経営幹部 社員の意識変革

株式会社日本オープンシステムズ

株式会社日本オープンシステムズ(略称JOPS)は、1990年7月にCSK北陸システム株式会社として設立され、その後IT革命の担い手としての独自性を打ち出すために、1994年7月に社名を現在の株式会社日本オープンシステムズに変更した。JOPSは創業以来、「新技術への挑戦」「新サービスの創造」と、社是である「創造と挑戦」を実践してきた。今後もこの姿勢は変わることはない。

女性活躍推進、とりわけ2026年度末までに管理職に占める女性割合を10%にする目標を掲げ、2022年度に富山県女性活躍推進専門コンサルタントの派遣を依頼された。

この事例は「継続は力なり」「経営者の熱い思いが社員を動かす」という点で注目いただきたい。

人事はひとごと?

経営トップであり、代表取締役社長の園氏は、かなり本気で女性の管理職を登用する覚悟でキックオフミーティングに参加。一方で同席する人事の担当者や各事業の責任者は経営者の「本気度」とはかけ離れた温度差であった。まさに経営者の独り相撲で、他の参加者は人事は「ひとごと」というノリ。経営者の思いを叶えるのが幹部の役割とのコンサルタントからの進言により、プロジェクトを組んで、何をやるべきかを議論する方向となった。

その後、プロジェクトメンバーを一般社員からも公募することとしたが、幹部社員は「誰も応募しないのでは?」と疑心暗鬼を拭えない状態であった。そこで、座長である園社長が全社員に自分の思いを直接、社内web掲示板で伝え、公募を行ったところ、なんと9名の女性社員が立候補した。東京地区で初めて産休・育休を取得した女性技術者は、「私の後に続く後輩社員の為に、何かしたいと立候補した」と述べた。この社員の存在がプロジェクトのメンバーを熱く突き動かし、プロジェクトはぐんと成長、社内で定着するところにまで発展した。

プロジェクト名はJ-WEX推進プロジェクトJops Women Employee eXperience)以下2つのチームが始動。

Real Voiceチーム(RV):女性の本音を聞く→次期リーダー候補の女性全員と面談し本音をヒアリング

Fair Eyesチーム(FE) :評価適正化→研修等企画していたが、一旦RVの結果を待つこととした

2022年度の活動から進化した2023年度WAVE、MIRRORチームの結成

2022年度のRV活動で、次期リーダー候補の女性全員への ”本音” ヒアリングにより見えた課題は3つ

課題① 管理職への高ハードル(責任・ストレスの増加、家庭や育児との両立に対する不安)

課題② 管理職に対する情報不足(具体的な業務内容・役割分担、業務の負荷状況、必要な知識・能力)

課題③ 女性の絶対数の不足(女性社員が少ない、女性の次期リーダー候補が少ない)

そこで、新たに課題①に対して『WAVE』プロジェクトチーム(Women's Advancement and Value Enhancementの略)、課題②に対して『MIRROR』プロジェクトチーム(Management Inspection, Review, Refinement, Optimization and Revolution の略)を結成、課題③に関しては人事総務部が採用計画、目標を明確に改訂し、取り組みを開始。更に次期リーダー候補の女性メンバー3名が追加でプロジェクト参加となる。

2023年度に取り組んだ具体的事例

管 理 職 へ の 高 ハ ー ド ル ~ W A V E が あ な た を 後 押 し ( サ ポ ー ト ) し ま す !

管理職を目指す人が、安心・安全な環境で1歩を踏み出せるように、既存の考え方(価値観)や制度をアップデートし、後押し(サポート)するという目標のもと活動を行っている。女性役員、女性管理職経験者の体験を聞くセミナーの開催や、家事育児との両立を後押しするような情報(「家事して愛情アップ!『共家事チェックリスト』」や「G7『男女共同参画』大臣会合に日本だけが男を派遣」「女性管理職の魅力についての電子冊子『オンリーワンのリーダースタイル診断』」など)を発信している。現在は男性育休の実態調査を実施中。また、WAVEは波に乗るという思いも込められている。

 

管 理 職 に 対 す る 情 報 不 足 ~ M I R R O R が 管 理 職 を 見 え る 化 し ま す!

管理職の業務を「見える化し、検証し、見直し、改善し、最適化し、そして変革する」という目標のもと活動を行っている。まずは現状の管理職の姿の見える化にむけて一般的な「業務内容」、「必要な能力(アップ研修)」の調査のほか、実態確認のために管理職全員を対象としたアンケートにより情報収集を実施している。さらに、役員・部長の女性活躍推進に対する思いや考えをインタビューし、全社へ発信することで、役員・部長同士や、一般社員のモチベーションアップを期待している。また、MIRRORは「鏡」という意味もあり、自己反省や業務改善の思いも込められている。

経営者が本気で、経営幹部が変革すれば、社員もより明るく、より元気になる!

着実にプロジェクトをお進めになっておられる、最大のポイントは社内風土の健全性だと感じている。役員部長へのインタビューの際に、「子供が熱を出したので保育園に迎えに帰ります、と部下の男性社員に言われたとき、正直物凄い違和感があった。が、今は反省している。時代は変化しているのだから、企業成長を考え、優秀な社員を確保し育てるためには、意識変革が重要と認識を改めた」そう述べた方がおられたそうだ。勇気ある幹部の告白にプロジェクトメンバーはより自分たちの活動に意義を感じ、ますます変革を加速化させる勢いであると信じてやまない。

コンサルタント:藤村優香理

株式会社日本オープンシステムズ

  • 従業員数: 385名、平均年齢: 37.0歳、平均勤続年数:9.9年、管理者数:40人
  • 〒930-0057 富山市上本町3番16号
  • 設立:1990年7月5日
  • 事業内容:システム開発事業、システム運用事業、システム検証事業、ITインフラ構築・運用事業  AWSクラウド構築・導入事業、セキュリティ診断事業、各種ソリューションシステム導入事業、その他関連事業
  • https://www.jops.co.jp/