企業間交流会

県の女性活躍推進事業の一環として9月5日、企業間交流会が県民会館バンケットホールで開催された。 「とやま女性活躍企業」認定証交付式では、女性が活躍しやすい職場づくりに取り組む県内企業19社に認定証が授与された。 この認定は令和4年度から実施され、今年で76社になる。その後は、日本オープンシステムズ(富山市)と富士化学工業(上市町)が女性活躍推進の取り組み事例を紹介。 企業間交流会では、認定企業の代表や過去に認定を受けた企業担当者ら70人がワークショップに参加し、女性活躍に向けた取り組みや課題、解決策について意見交換した。

取り組み事例紹介

日本オープンシステムズ代表取締役社長 園 博昭

 園氏が同社社長に就任した2022年当時、女性管理職は0人。そこで管理職を希望する女性社員9人と「女性活躍推進プロジェクト」を発足した。 社内アンケートでは①管理職に対する知識不足、②管理職に向けた心理面・環境面の高ハードル、③女性の絶対数不足という課題が判明した。
 対策として、管理職の「見える化」を行い、育児休業取得促進セミナーを実施。また時短勤務期間を「小学校入学まで」から「中学校入学まで」に延長。 女性の新卒採用を強化し、遠隔地テレワーク勤務を制度化するなどした。これにより2023年度の男性の育休取得者は過去最高の70%、社員の男女比率は57%:43%と成果が表れ、社員の意識も高まった。

富士化学工業代表取締役社長 西田 洋

 社員の男女比率は8対2。製造部門は女性が1割だが、品質管理や人事などの非製造部門は女性が4割以上を占める。 アンケートでは「男女平等の機会は一定程度あるが、会社として女性活躍を後押できていない」状況がわかった。
 このため①女性活躍を妨げる障害を取り除き、②平等に機会を与え、③後押ししていくという3ステップで女性活躍に取り組んだ。 育児休暇は2週間分を有休扱いにし、家計不安を払拭した上で男性の長期休暇取得を促進。時短勤務は2024年より「3歳まで」を「小学3年まで」に拡充。 勤務時間は子供の成長に合わせて30分単位で選べるようにした。また低用量ピルの助成制度を設け、月経や更年期の不調に対応した。
 西田氏は「今後も理系女子の採用に尽力する一方、社内研修の機会を男女平等に提供し、社員の挑戦を後押ししていく」と話すと共に「女性活躍は企業成長に必須。SDGsの観点からもジェンダーギャップ解消に貢献していきたい」と語った。

ワークショップ

 まず、講師の西野美冬氏が「富山県は若い女性の社会減が深刻で企業の人材不足や婚姻数の低下・少子化の原因になっている」と現状を紹介し、 「女性社員・上司管理職・組織が一体となって女性が働きやすく、生活しやすい環境をつくっていく必要がある」と話した。
 ワークショップではグループに分かれ、自社の女性活躍に向けた取り組み状況と課題を発表。業種によって社員意識や職場環境が異なることをふまえながらディスカッションし、最後にそれぞれが自社における課題解決策を発表した。 参加者からは「育児の相談窓口がある企業があり、意義深いと感じた。女性リーダーは密に交流し、同じ方向を向いていくことが大事」「男性が育休をとって、家事・育児に深く関わってもらうことで女性はもっと活躍しやすくなる」「生理休暇という名称は別の呼び方に変えた方がいいと思った」「経営陣の意識を変えていくことが大事。 ここに来るのは私だけでなく経営陣が来るべきだと思った」「女性チームでうまくいった成功事例を一つ作り、それをスタンダードにしていくといい」といった感想が寄せられた。

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